近年、赤外線LEDによって精神や頭皮を治癒する器具が発売されており、流行の兆しを見せています。
これらの波長は670や830nmと短いですが、それぞれ近似した特徴があります。
考えられる効能について以下に記したいと思います。
670nmと830nmの近赤外線マシンについて
670nmは?
670nmの波長は近赤外線であり、赤外線とは異なる光のスペクトルの一部です。近赤外線は、細胞内のミトコンドリアでの光合成を促進し、エネルギー産生に役立つATP(アデノシン三リン酸)の生産を刺激することが知られています。また、近赤外線は、酸素の供給量を増やし、炎症を減らすことが示されています。
近赤外線照射は、認知機能や脳損傷の回復に関して、多くの研究が行われています。一部の研究では、近赤外線照射によって脳内の血流が改善され、認知機能の向上が観察されたと報告されています。また、近赤外線照射は、脳損傷後の回復を促進することが示唆されています。
ただし、具体的に670nmの波長が脳にどのような影響を与えるかについては、まだ研究が十分に行われていないため、確定的な結論は出ていません。
830nmは?
830nmも、近赤外線の波長の一つであり、近赤外線の中でも波長が長めの範囲に属します。830nmの近赤外線は、光線の透過力が高く、深部組織にも届きやすいため、医療や生体測定などの分野で広く利用されています。
こちらも、細胞内のミトコンドリアでの光合成を促進し、エネルギー産生に役立つATPの生産を刺激することが知られています。また、近赤外線830nmは、炎症を減らすことや、脳損傷後の回復を促進することが示唆されています。
最近の研究では、近赤外線830nmの照射が、脳損傷後の回復や認知機能の改善、脳神経細胞の保護に役立つ可能性があるとされています。ただし、人体に対する近赤外線830nmの照射量や照射時間などは、適切に設定する必要があります。また、830nmの波長がすべての病態に有効であるわけではなく、さまざまな研究や臨床試験が必要です。