世界概況
- 週後半の米消費者物価指数、小売売上高、生産者物価指数など、主要な経済指標の発表が予定されているため、これらの数字に市場が注目する可能性があります。特に、消費者物価指数の結果でリセッションと捉えることになれば、利上げの余地のあるユーロとの差が生まれる可能性が高いでしょう。
- そして、FOMC議事録の公表も市場に影響を与える可能性があります。市場は、議事録から将来的な金融政策の方向性を読み取ろうとするため、議事録に示されたメンバーの見解や意見に注目することになることから、サプライズがあれば反応があるでしょう。
- また、新任の植田総裁が日銀の新体制を始動させるということで、日本の金融政策に対する市場の見方にも注目が集まるため、円相場に関する暫時的な流動性の高さ(不安定さ)も考えられます。
- IMFの世界経済見通し(11日火)の発表も重要なイベントです。市場は世界経済の見通しに関する情報を収集するため、注目することが予想されます。
- ただし、週明けはイースター休暇期間中に入るため、市場の取引量が低下し、市場の流動性が低下する可能性があります。しばらくはスプレッドも広く、投資に向かない可能性が高いでしょう。
ユーロ概況
- ユーロドル相場は直近の安値をボトムに反発し、2か月ぶりの高値を記録したところで一旦反落。
ただしテクニカルの抵抗帯に対する反発なので、再上昇の可能性があります。 - 日足・ローソク足が主要テクニカルポイントの上側で推移しており、テクニカル的に見ても「極めて強い」状況といえます。
- ファンダメンタル面でも、ECB当局者による相次ぐタカ派発言や、欧米金融政策の方向性の違いなどがユーロドルのアップサイドリスクを連想させる材料があります。つまりユーロは利上げの余地があり、アメリカは利上げが限界に来ているというところが、明確に異なるといえます。
- 来週はユーロ圏の経済指標やECB当局者発言、IMF・世銀春季総会におけるラガルドECB総裁発言などに注目が集まりそうです。
チャート
4時間足では金融不安の大幅下落からの回復、この回復局面をキャラチェンジとしては波長を読んだとき、現在は第5波と言えるでしょう。
5波の間でもみ合いになっていますが、最終ターゲットは1.12と見えます。近くは1.1への再トライでしょう。