タウリンは、エナジードリンクなどによく含まれている成分で、覚醒と沈静、どちらにも作用し、体に色々な良い影響を与えると言われています。その中でも、睡眠にどんな影響を与えるかについて説明します。
タウリンの基本的な効果
エネルギーをサポート
タウリンは、体の中でエネルギーを作るのを助けます。これによって、疲れにくくなり、夜の睡眠がよくなることがあります。
神経を落ち着かせる
タウリンは、脳の中で神経を落ち着かせる働きをします。これにより、リラックスできて、不安が減り、集中力が高まる効果が期待されます。
心臓を助ける
タウリンは、心臓の働きをサポートして、体全体のエネルギーレベルを保つのに役立ちます。これも、睡眠の質を良くするのに一役買っています。
研究によるエビデンス
ショウジョウバエの実験
タウリンは、ショウジョウバエ(小さなハエ)での実験で、睡眠時間を50%増やすことが確認されました (Lin et al., 2010)。これにより、タウリンが眠りを良くする効果があると考えられます。
マウスの実験
マウス(小さなネズミ)にタウリンをエタノール(アルコール)と一緒に与えると、睡眠時間が長くなりました (Ferko, 1987)。タウリンが神経を落ち着かせる力を強くすることがわかりました。また、別の研究では、長い期間タウリンを与えると、エタノールでの睡眠時間がさらに長くなることが確認されました (McBroom et al., 1986)。
人間の研究
特に体重が多い女性において、タウリンを摂取すると睡眠の質が良くなることがわかりました (Ha et al., 2015)。他の栄養素では同じ効果が見られなかったため、タウリンが特に睡眠の質に寄与していると考えられます。
受容体アゴニストとしてのタウリン
受容体アゴニストって何?
受容体アゴニストとは、体の中で特定の受容体(細胞が外からの信号を受け取る場所)にくっついて、その受容体を活性化させる物質のことです。これにより、体の中で色々な反応が引き起こされます。
タウリンとGABA受容体
タウリンはGABA(ガンマアミノ酪酸)受容体という場所にくっついて働きます。GABAは脳の中で神経を落ち着かせる働きをしており、タウリンがこれにくっつくとリラックス効果や不安を減らす効果が期待されます。
タウリンとカフェインの関係
エナジードリンクの成分
タウリンが含まれているエナジードリンクには、カフェインもよく含まれています。カフェインは、脳を刺激して目を覚まし、注意力を高める成分です。
カフェインの効果
カフェインは、脳の中で眠気を感じさせる物質をブロックすることで、眠気を防ぎ、集中力を高めます。これがタウリンとカフェインの相乗効果で、より覚醒感を強く感じる理由です。
まとめ
タウリンは、動物や一部の人間の研究で、睡眠を改善する効果があることが示されています。特に、タウリンが神経を落ち着かせる働きがあり、睡眠時間を増やすことがわかっています。
また、タウリンを含むエナジードリンクにはカフェインが含まれているため、その覚醒効果も感じられます。これらの相乗効果により、タウリンの摂取が睡眠の質向上に役立つと考えられています。