催眠療法の会報誌を見ていると、冷たいシャワーをトランス状態で浴びる方法が紹介されていました。
これはれっきとした催眠療法かは不明ですが、自己を鍛錬する極めて興味深い方法と言えます。
上記の方法は、体に冷水を浴びて体の内奥の温かさを呼び覚ますというなかなか刺激的な手法ですが、そこまではいかなくても、我々が身近に試しつつ、その力を鍛える方法があります。
これを「冷水法」と名付け、その手順を紹介します。必要なのは風呂桶だけです。
冷水法の流れ
要な準備
冷水の入った容器やバケツ、氷、タオルなどを用意します。
一般的に、触って耐えられないほど冷たい状態の水を用意します。
なお、安全かつ快適な環境で実施することが重要です。
リラックス
まずはリラックスして深い呼吸を行います。
呼吸を深めていくのですが、最大で1分で1呼吸するなど、極めて長い呼吸をすることが重要です。
深い呼吸を行う時には、全身の血流が酸素を求め、そして生命のエネルギーを強めていることをイメージしましょう。
このような意識に基づき深い呼吸をすることで、やがてトランス状態に入ることができるようになるでしょう。
冷水に触れる
自らをトランス状態に入れた状態で、冷水に触れます。
そして自己暗示をします。「体の細胞が活性化されながら、冷水に触れるとその心地よさを感じることができる」といった暗示を行います。
最初のうちは冷たさに堪えられない場合があると思います。それは仕方のないことですが、体の細胞の強さをイメージすることで、やがて冷たさを心地よさに変えられるようになるでしょう。
冷水法が何故良いか
冷水法の効能を説く療法士は少なくありません。
この方法は、まず間違いなく一度では成功しませんが、何度か粘り強く続けていくと、意識が変容し、冷水を克服することができるようになるでしょう。
これは、目の前に確実に存在するクリティカルな状態に防衛機制を働かせることができるようになるため、成功率が高いと考えられています。
自己の弱さを克服し、苦境を快楽に転換できる手法があれば、それは生きづらさの変容をも意味することになるでしょう。
さいごに
冷水法は、催眠状態の深化や感覚体験の増強を目的としています。
自己トレーニングにおいては、メンタル強化などに極めて役立つ面白い手段です。
段階として、冒頭のように、手を強化するだけではなくシャワーを全身にかけることで、全身をコントロールすることができ、それが完成形と言えるでしょう。
しかし、冬場の水シャワーは極めて危険な行為と言えますので、安全を最優先に考え、適切な指導と管理が必要です。