※ちなみにワイは煙草も酒も興味がない
大麻とは
大麻は、Cannnabisと呼ばれます。今やどこにも生育するものですが、中央アジア原産であったことは特筆すべき点であります。
原産地はアフガニスタン北部や南シベリアのアルタイ山脈と言われています。アルタイ山脈とアフガニスタンには地理的距離がありますが、自生力の強さや文化的な背景から、それが世界中に浸透していきました。
大麻の最も有効な成分と効能
大麻は雌雄異体(オスとメスで株が違う)です。どちらも”麻”つまり良質の繊維を作り出すのですが、精神に作用する”カンナビノイド”を多く作り出すのは、雌株のほうで、Δ9-テトラヒドロカンナビノール(いわゆるTHC)が最も重要とされています。
大麻の効能は、THCであればもっぱら”ハイになる”と言われます。これを”ブリる”という表現をしたりするのですが、酒やたばこなどと同じで、効果は人それぞれです。
かつて脳科学研究者であった中野女史は、タバコは早く吸うと落ち着き、ゆっくり吸うと頭がすっきりするという薬理効果を述べていましたが、同様に、吸い方によって得られる効能も違うのかもしれません。(病気への効能については、後で動画を掲載します)
大麻の血統
THCを多く生成する大麻のサラブレッドは、Cannabis sativaです。ランク付けをするのであれば、
Cannabis sativa > Cannabis indica >Cannabis ruderalis です。ただし厳密にこの分類がされるようになったのは後年の研究によるものであり、葉状の違いによって見分けるといいますが、それぞれが独自に進化している(例えるなら、コメはコメでもコシヒカリなどの品種が生まれたり、積極的に品種改良が行われたりしている)ので、この分類が意味を成すかも疑問ではあります。
なおTHC愛好家に珍重されるのは、sativaのようですが、Candinas indicaも独自に進化し、例えばハシッシ(ハシシ)などの主成分となっているようです。
大麻の悲劇的な側面
若干誇張たる表現ですが、大麻というのはその効能や依存性や健康被害の低さに比べ、無暗に迫害されてきた物質と思われます。
そもそも大麻は中央アジアから発祥し、インドや中国などを経てメジャーになるまでに時間がかかりました。アルコールなどの醸造などの比較的面倒で高尚な工程を経て生まれた酒類が崇められ、ただの草を吸うことと、その依存性の低さから、いわゆる精神賦活物質の類の中では、低く見られていた印象もあります。(タバコについても、北米先住民との邂逅を経て広がったもので、発祥としては近いものがありますが、圧倒的な市民権を得た点で大きな違いはあります)
もともと大麻にはヒステリーやチック症(トゥレット症候群)などの効果が認められていたのですが、アヘン戦争などをきっかけとし、麻薬に対する批判的な体制、規制が大麻にも及んでしまったというのが世界及び日本における現状と言えるでしょう。
麻薬はアヘンやその生成物質であるヘロイン、またコカの葉から生成されるコカインのように、強力であるゆえ鎮痛剤や麻酔などの薬理作用もあるものですが、適切なコントロールから離れた時、中国(清)でその濫用に歯止めが利かくなってしまうもので、それは大麻とは似て非なるものです。
大麻単一条約という謎
麻との親しみがあった日本は国際的な条約の流れを意識しており、1930年の「国際アヘン条約」締結当初はインド大麻のみを規制する(日本ではインド大麻こそが薬物であると信じられてきたようです)にとどまったり、戦後GHQが大麻栽培を規制しようとしたときも、何とか宥和的な政策をと頑張ってきましたが、1961年の国際条約である、いわゆる「大麻単一条約」により、日本も大麻を危険な物質として捉えざるを得なくなったという事情があります。
先に申し上げた通り、本来麻薬と大麻は別ものなのですが、この国際定義においては、
麻薬(大麻,あへん,モルヒネ,ヘロイン,コカイン等をいい,麻薬取締法上の麻薬とは異なる。)の生産,輸出入,取引,使用,所持等を医療上及び学術上の目的のみに制限するとともに,大麻,ヘロイン等について特別の統制措置を執ることを締約国に義務付けている…
―法務省HP
とあり、まさに、大麻も麻薬として単一化するというテキトーな条約です。
ただし、上記の引用にある通り、「麻薬取締法上の麻薬とは異なる。」とありますから、(国際条約ではなく)日本の法律上の定義においては麻薬(麻薬及び向精神薬取締法)と大麻(大麻取締法)を分けている、というのはせめてもの良心とも言えます。
しかし製造もややこしそうな酒煙草はOKで、簡単に育つ大麻はダメというのは、輸入事情も含めた、あらゆる思惑が絡んでそうですね。
旧字体の大痲
若干ややこしいのですが、大麻も麻薬も、1949年には「麻」として同一視されるようになりました。
しかし、実のところこれらの旧字体はそれぞれ異なります。それは、「大蔴」「痲藥」です。
痲ではなく、”蔴”つまり、疒(やまいだれ)ではなく、艸部(そうぶ)の感じが一緒くたになって”麻”となったのが正しいのではないか思い、それを勘違いして書かれている方が多い印象にあります。
いずれにしても、「しびれる」という訓読みはあり、大麻のの側面を捉えていたものと思われますが、人間の精神作用について直接的な言及をしている「やまいだれ」の 痲薬よりは、草としての側面を重視しており、やはり一線を画していたというように捉えることができます。
CBDと並行的に話題になった「大麻グミ」
後述するCBDブームと並行的に出現して話題を呼んだ「大麻グミ」。
これは「HHCH」と呼ばれるものが化合されているもので、こちらは現在、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)という、昔は薬事法、今は通称薬機法で規制が始まりました。
よく取り沙汰されるのが、THCとよく似た構造式という点です。
分子構造が似ているのは、かなり攻めた合成です。
問題は大麻中毒や麻薬中毒など、あらゆる中毒に対して現代医学では解毒などの対応が可能なのですが、こういった新たな成分による中毒は、そもそも「何を吸って(食べて)そうなったのかわからないし、知らない分子構造に取るすべもない」ため、医療者としては対応が後手に回り、中毒患者は、最悪の場合は死に至るケースも否めません。
食べるのは「人体実験」と上の見出しにはあります。(ウェブサイトはこちら)。上品な話ではありませんが、臨床研究の多い大麻の方が、まだ生存率は保証されそうです。
大麻と日本人と自然人
今までは、大麻の簡単な種類と歴史について書いていきました。日本人は大麻に融和的であったが、諸外国の圧力から大麻を悪者とせざるを得なくなった、という見方も一つの考えです。
コカ・コーラがコーク(コカイン)を用いられていた説があるように、日本人と大麻の関連については、実はヴェールに包まれたままです。
確かに日本でもヒロポン(アンフェタミン=覚せい剤)を愛用していた歴史はありますが、大麻との歴史というのは、麻という日本人が愛した素材があるにもかかわらず、あまり語られないままであり、それは闇に伏されているというよりは、大麻を吸うという習慣が本当になかったのかもしれないとも考察されてます。
図らずも日本ではサラブレッド種である、 Cannabis Sativaが用いられていたともいわれています(諸説あります。全く違う種という説もありますし、上述のコシヒカリ説のように、良質の繊維を生み出す種の方が好まれ、結局THCは少ないようです。また、昔の日本人が大麻を喫煙として使用したという記録も見られないようです。)
ただ、大麻と日本人、また古代の幻術的な要素は大麻信仰の派生から生まれた可能性も否定できません。
自然人が薬草と邂逅すれば毒もあれば薬もあり、そして酩酊作用のあるものもあります。小学校のころ慣れ親しんだアサガオの種でさえ強烈な幻覚作用を催すのです。
薬物を取り締まる法律が成立する以前の人間は、自然に対して自由であったのです。
CBDをはじめとするTHC以外の成分
大きな有効成分は、THCですが、そちらを含めた主な分類はこちらです。
大麻の主要な有効成分は、カンナビノイドと呼ばれる化合物群です。これらのカンナビノイドは、中枢神経系や末梢神経系に作用し、さまざまな生理学的な効果を引き起こすことが知られています。以下は、一般的なカンナビノイドのいくつかと、それらの主な効果についての概要です。
- テトラヒドロカンナビノール (THC)
精神活性作用: THCは大麻の主要な精神活性成分であり、ユーザーに「高揚感」や幻覚をもたらすことがあります。鎮痛効果: 痛みの緩和や不快感の軽減に寄与することが報告されています。
- カンナビジオール (CBD)
抗不安効果: CBDは鎮静作用があり、不安や緊張を和らげる可能性があります。抗炎症効果: 炎症の緩和に寄与することが示唆されています。けいれんの抑制: 一部の研究では、CBDがけいれんの発作を抑制する可能性があるとされています。
- カンナビノール (CBN)
睡眠の促進: CBNは睡眠の質を改善する可能性があるとされています。
その中で特に日本などで注目を浴びている物質が、CBD(カンナビジオール)です。
CBDとは
CBD(カンナビジオール)は、大麻植物から抽出されるカンナビノイドと呼ばれる化合物の一種です。大麻植物には、THC(テトラヒドロカンナビノール)など他の多くのカンナビノイドも含まれていますが、CBDはTHCとは異なり、精神活性作用がほとんどないか非常に弱いとされています。
CBDは、大麻植物の葉、花、茎などから抽出され、様々な形態の製品に利用されます。これらの製品には、CBDオイル、カプセル、クリーム、エッセンシャルオイル、食品サプリメントなどが含まれます。CBD製品は、健康やウェルネスへの関心が高まる中で、さまざまな用途に使用されています。
CBDの主な特徴や効果には以下のようなものがあります:
- 抗不安効果: 一部の研究では、CBDが不安やストレスの緩和に寄与する可能性があるとされています。
- 抗炎症効果: CBDは炎症を軽減する可能性があり、関節炎や他の炎症性疾患の症状を緩和するために利用されることがあります。
- 抗けいれん効果: 一部のてんかん患者において、CBDがけいれんの発作を減少させる効果があるとされています。
- 睡眠の改善: 一部の人々はCBDが睡眠の質を向上させるのに役立つと感じています。
- 鎮痛効果: CBDは一部の痛みや不快感の軽減に寄与する可能性があります。
主にTHCとCBDは、THCがハイになるのに対し、CBDはまったりできるといわれていますが、効果効能は人によります。
CBDの個人輸入の難しさ
CBDは申請なしに個人輸入すると、お尋ねが来ます。
それに先んじて、
- CBD製品であることの証明書
- 製品のロットとそれに対応する成分分析書
- 原材料や製造工程(工場)の写真
などをあらかじめ税関に提出しておく必要があります。詳しくはコチラなどをご覧ください。
もちろんこの書面は適切な輸入元であれば用意があると思いますが、若干ハードルが高いのも現実ではあります。したがって日本で個人で使用するには、日本の製造会社や輸入会社から良質な製品を手にするのが良いと言えます。
CBD業は儲かる?
このように輸入障壁があるため、個人輸入の転売が簡単にできるわけではありません。そのため、適切なサプライヤーを見つけ、適法に輸入することで利益を得ることができるブルーオーシャンという可能性もあります。
実際にCBDを販売しているところは、ターゲット市場や顧客層を特定し、それに合ったマーケティング戦略を行っているようです。
ウェブ、SNS、健康食品店などでの販売を行ったり、CBDについての正確な情報を提供し、顧客や消費者に製品の利点や使用方法を理解するように努めているようです。
特にCBDのクリーンさについてアピールも行っており、法的要件に準拠した情報提供が浸透しており、CBDに対する日本人の受容性が高まっているように思います。
THCとCBDのこれから
一部の地域で大麻の合法化が進んでおり、これが今後も拡大する可能性があります。大麻の合法化に伴い、THCを含む製品やサービスの市場が成長すると思います。
- 医療利用の拡大
THCは鎮痛効果や食欲刺激効果などがあり、医療用途が広がる可能性があります。特に、がん治療や慢性疾患の症状緩和に関連する研究が進むでしょう。
もともとトゥレット症などに効果があるということは昔からわかっていたので、医療用大麻の解禁とその対象の拡大には期待が進みそうです。
なお、最も印象的な映像の一つはこちらだと思います。
- 新たな製品の登場
合法的な大麻市場の成熟に伴い、様々なTHC製品が登場する可能性があります。これには、異なる経路での摂取が可能な製品や、異なるTHC濃度の製品などが含まれます。
また、CBDは日本においては今後より注目となる物質になるでしょう。
- 拡大する市場
CBD市場は引き続き成長すると考えられます。新たな製品の登場や、CBDを含む健康製品の需要が高まることが予測されます。
- 科学的な発展
CBDに関する研究が進み、新しい効果や利用領域が明らかになるでしょう。これにより、CBDが健康やウェルネスにおいてどのように利用されるかが変わる可能性があります。
- 法的規制の安定
合法的なCBD製品の市場が安定し、法的な規制が明確になることで、業界全体が安定化し、信頼性の高い製品が提供されやすくなるでしょう。
- 産業との結びつき
CBDは産業用途にも利用され、例えば大麻からの繊維や建築材料の生産に関連する新しい産業が発展する可能性があります。
THCとCBDについては、健康への影響や法的な規制が依然として注視されています。将来の展望においては、これらの要素がどのように進展するかによって大きく変わるでしょう。
それでも大麻は×
それでも大麻はダメです。日本で許されていません。
特に大麻は日本においては、栽培も含め匂いでバレます。合法的な国や地域では、大麻が医療やリクリエーションの目的で使用されている場面もあり、その香りが一般的になっています。
日本のように大麻が非合法である地域では、その香りは問題視されることがあります。においを隠すために強い香水を用いる場合もいますが、かえって怪しまれることがありますし、基本的にブリってる(大麻を利用している)人は大体バレています。
CBDはどう?
CBDは近年注目されていますが、その良しあしはともかく、最低でも良質のCBDを得ることが重要です。信頼できるメーカーでの購入が望ましいと思います。
まとめ
大麻(Cannabis)は、中央アジア原産であり、アフガニスタン北部や南シベリアのアルタイ山脈に生育していたとされています。大麻は雌雄異体であり、その中でTHC(Δ9-テトラヒドロカンナビノール)が最も重要な精神活性成分とされています。大麻の主要な種類には、Cannabis sativa、Cannabis indica、Cannabis ruderalisがあり、それぞれ異なる特性を持っています。
大麻の歴史は複雑で、こと日本においては、様々な文化的背景や法的規制により迫害されてきた印象があります。ただし近年、大麻の成分の一つであるCBD(カンナビジオール)が注目を集め、医療や健康製品として利用されることが増えています。
CBDはTHCとは異なり、精神活性作用がほとんどないか非常に弱いとされています。主な効果には抗不安、抗炎症、抗けいれん、鎮痛があります。CBDの個人輸入には一定の手続きが必要であり、適切なサプライヤーを見つけることが重要です。
大麻規制は地域によって異なりますが、合法的な市場では新たな製品やサービスが登場する可能性があります。日本での大麻解禁の道はやや遠そうですが、医療利用やCBDの成長が期待されています。
CBDは将来的にも健康製品として注目を集め、市場の成長が期待されていますが、安全な利用が望まれます。
個人的にはあまり興味はないですが、安全なCBDを少し体感してみたい気もします。