金曜日のアウトルック
先日の金融市場において、ドイツ銀行のB/Sが健全であることが明らかになったことから、円が反発しました。これは、市場参加者がドイツ銀行に対する懸念が払拭されたことを受けて、円売りに転じたためです。
米国財務長官のコメント
一方、米国の財務長官であるジャネット・イエレン氏が、米国の銀行システムが健全であるとの認識を示したことも報じられました。しかしながら、イエレン氏は同時に、銀行の資本基盤やリスク管理体制を強化する必要があるとの考えを示しました。
金曜日は調整相場の可能性
なお、金曜日の市場では、調整的な円安が見られ、持ち越しポジションを嫌った買いの印象が強くなっています。また、緊急招集については、あくまで米銀行に関するものであり、EUやスイスについての言及ではなかったことから、限定的な言及とも言えます。
逆に言えば米銀行のみの言及というのは不思議であり、世界の金融機関が安定しないことには、アメリカに波及することになってしまいます。したがってイエレン氏の上記の発言は金融機関への不信感を募らせることになる結果となる可能性が高いです。
現状、円売り(ドル買い、ユーロ買い)の材料としては薄い
米銀行がスタビライズしていく中で、ユーロやスイスのお金をどこに持っていくか。
基本的には、消去法的に円に戻っていくことでしょう。
しかもイエレン氏の緊急招集でAI的に上がった為替も、ふたを開けてみれば「安全」とだけで、中身はありません。
却って失望が加速し、クロス円チャートは下窓の可能性もあります。(窓に関してはそれほど大きくはないでしょう)
いずれにしても、今後も引き続き円高が続くと予想しています。
3月26日02:19のEUR/USDT
チャートとしてはドルに対してユーロは若干上がっています。値としては、1.0679。
EUR/USDのリアルレートが1.0759であり、EUR/USDとEUR/USDTが必ず一致するというわけではありませんが、このレベルの上下では横ばいと考えられ、特別な好材料・悪材料の反応はなさそうです。
月末リバランスも近い
月末も近いので、月末リバランスは多少考慮されます。
※月末リバランスとは、投資家が保有する株式や債券などの資産を、ある一定の比率に調整するために行う売買のことです。例えば、ある投資家が株式と債券を5:5の割合で保有していた場合、株式が上昇し債券が下落した結果、保有資産の比率が6:4になってしまったとします。この場合、投資家は月末リバランスの一環として、債券を買い戻して保有資産の比率を元に戻します。
月末リバランスは客観的に導出可能であるため、その方向に動く可能性は常に考えられるのですが、”多少”としたのは、金融的危機のシチュエーションにおいて正常に機能するかという点に疑問符が付くからです。
週明けからの動向にも目が離せません。