ほとんどのトレーダー、これは情報を有料で配信している方に関わらずですが、元をたどればあのトレーダーにたどりつきます。
それがICT(The Innner Circle Trader)というトレーダーです。
ICTの教えは示唆に満ちており、例えばビギナーは1000ドルスタートで月利6%、最大リスクは1.5%としなさい、といった親しみやすい事柄から、高度で体系化されたマーケットメカニズムについてもテキストなどでの共有があります。(上の画像には、「テクニカル分析におけるプライスアクションに対する、機関投資家の視点を養おう」とあります。)
ただ、本音を言えば、私自身、情報量とそれにまつわるスキャム(詐欺情報)も多すぎ、ICTとは何かという本質を掴むことが容易にできかねているところではあるので、まとめてみたいと思います。
とはいえ。ICTさんはウェブサイトもあり、70万人弱の登録者がいる公式YouTubeもあり、テレグラムもあります。最も更新頻度が高いのがYouTubeなので、それを見れば一番いいのですが、妙に引き込まれる言動はいいのですが、基礎理論を理解していないとついていけなさそうで、そだし自身は敬遠しています(逃げるな!)
The Innner Circle Trader
「The Inner Circle Trader」とは、トレーダーであるMichael J. Huddleston(通称: ICT)が 運営するトレーダーコミュニティおよび教育プラットフォームです。
ICTは彼のトレード手法や市場分析に関する情報を提供し、多くのトレーダーに影響を与えてきました。しかしながら、私は彼の情報を知識の範囲外であるため、彼のトレード手法を具体的に要約することはできません。
ICTのウェブサイトや彼の教育コースを通じて、彼はテクニカル分析や価格アクションに基づくトレード手法を教えています。彼は価格の動きや市場の心理に焦点を当て、サポート・レジスタンス、フィボナッチレベル、トレンドラインなどのツールを使用してエントリーポイントやエグジットポイントを特定する方法を教えています。
ICTの手法は、相場の構造や重要な価格帯の分析、市場参加者の心理や注文フローの理解に基づいています。彼の手法は個別のチャートパターンや特定のテクニカルインジケーターに依存せず、より包括的な市場分析を重視しています。
要約すると、ICTはテクニカル分析と価格アクションを組み合わせたトレード手法を教えており、市場の構造や心理に基づいてエントリーポイントとエグジットポイントを見極める方法を重視しています。彼のトレード手法の詳細については、彼のウェブサイトを訪れるか、彼の教育コースに参加することをおすすめします。
マーケットの構造とプラン
ICTが示しているのは、チャートの表層から見えるマーケットの深淵であると感じています。私が理解している範囲では以下の通りです。
- ICTはマーケットをテクニカル分析とプライスアクション、そしてその原因となる構造(ストラクチャ)に焦点を当てている
- マーケットの構造を理解することの重要性:市場はサポート、レジスタンス、トレンドライン、フィボナッチで形成されると考えられる。
(もはや常識概念となりつつありますが、AIも含めた世界中の見識がICTを吸収したことから、理論が事実化した可能性もありますね) - Key Level(重要価格帯)ICTは、価格の節目を特定し、それを「Key Level」とし、サポート・レジスタンスとして機能し、価格の反転や継続となるポイントとなる場所としている。
(こちらも常識的な概念となりますね。) - Climb the Wall(クライムザウォール)この重要価格帯に差し掛かった時に、それを乗り越えるか、反発する傾向が顕著に出てくることをこのように呼びます。SASUKEにありそうな名前ですね。
- Weekly High and Lows(週間の高値・安値)週レベルのハイ・ローは、サポート・レジスタンスとして働く可能性があるため、それを意識します。
- トレードプランニング:冒頭に述べたように、開始資金やリスク、リターンの目標の立て方などについてはかなり厳密に述べられており、リスク管理の重要性を述べています。
整理すると‥
- マーケットの構造の理解:市場はサポート、レジスタンス、トレンドライン、フィボナッチで形成されると考え、これらの構造を理解することが重要です。
- 重要価格帯の特定:ICTは価格の節目を「Key Level」とし、これがサポート・レジスタンスとして機能し、価格の反転や継続のポイントになるとしています。
- 週間の高値・安値:週レベルのハイ・ローはサポート・レジスタンスとして働く可能性が高く、これを意識することが重要です。
- リスク管理:開始資金やリスク、リターンの目標設定について厳密に述べられており、リスク管理の重要性を強調しています。
彼自身が語る”最も重要な”功績それは
彼のツイッターの固定ツイートでは、スマートマネーの著者兼作成者と主張しています。
スマートマネーとは、こちらの記事で説明したとおりであり、大口の資金への意識についてのコンセプトを個人レベルのトレードに落とし込んだ最初の人、というのは言い過ぎかもしれませんが、恐らくそのコンセプトを布教した第一人者であることは間違いないでしょう。
ICTが広く支持されている理由は、彼の理論が高度でありながらも親しみやすい点にあるのでしょう。彼の理論は洗練されており、多くのトレーダーにとって確かなベースセオリーとなっています。
また、彼のマニュアルや教育コースは海外で流出し、熱心に研究された結果、多くの成功事例が生まれました。現代トレードの主流派、このコンセプト、またはその派生から成り立っているといって過言ではありません。
それでは、彼のコンセプトを詳しく掘り下げる旅に出ましょう。
ICTの主要2概念「流動性ギャップ」「FGV」
ICT(Inner Circle Trader)は、Michael J. Huddlestonが開発したトレーディング手法で、価格アクション、流動性の理解、心理的要素を組み合わせた戦略を特徴としています。
この記事では、特に「流動性ギャップ(Liquidity Gap)」「FGV(Fair Value Gap)」を中心に、ICT手法を見ていきます。
流動性ギャップ(Liquidity Gap)
流動性ギャップとは、市場で価格が急激に動いた際に発生する、買い注文や売り注文が不十分であるために生じる価格の「隙間」のことです。流動性が薄い状態では、大きな取引が市場を動かしやすく、価格が短時間で大きく変動することがあります。
ICTの流動性ギャップは、トレーダーがこれを逆手にとってトレードのチャンスを見つけるために利用します。一般的には、市場が流動性を回復するために「ギャップ」を埋めようとする動きを狙ってポジションを取ることが基本的な戦略です。
流動性ギャップを活用したトレード
- トレンドに逆行するポジション: 流動性ギャップが発生すると、価格が急激に動きすぎるため、通常はその後に逆方向への調整が行われます。ICTでは、この調整の動きを予測し、トレンドとは逆の方向にエントリーすることが推奨されます。
- 高流動性ポイントでのエントリー: 流動性ギャップが埋められる地点(すなわち、流動性が回復する地点)を予測し、その地点でエントリーします。このようなエントリーポイントは、損失を抑え、成功するトレードの確率を上げるのに役立ちます。
- 時間枠の重要性: 流動性ギャップは、異なる時間枠にわたって発生します。デイトレードでは5分足や15分足などの短い時間枠でギャップが発生することが多いですが、スイングトレードでは日足や週足のギャップに注目します。ICTでは、時間枠を横断してギャップを分析し、最も効果的なエントリータイミングを見つけます。
FGV(Fair Value Gap)
FGVの定義
FGV(Fair Value Gap)とは、3つの連続するキャンドル(ローソク足)の間に生じる価格の「隙間」のことです。ICTでは、特にこの隙間が価格の「公正価値」を示すとして、重要視されます。このギャップは、通常、価格が短期間に大きく変動する際に発生します。
FGVを見つける際には、特定のチャートパターンを観察し、以下のようなポイントを確認します。
- 最初のキャンドルが大きな値幅で動く。
- 2番目のキャンドルがその動きをフォローするが、前のキャンドルの終値と次のキャンドルの始値の間にギャップが残る。
- 3番目のキャンドルは、ギャップを埋めるか、そのままトレンドを継続する。
FGVを活用したトレード
- FGVを使ったエントリー: FGVは、価格がそのギャップを埋める動きを予測する際に使われます。例えば、上昇トレンドの最中にFGVが発生すると、価格は一度そのギャップを埋めてから再度上昇する可能性があります。このタイミングでエントリーすることで、リスクを最小限に抑えることができます。
- FGVのトレード戦略: FGVが出現した場合、トレーダーは市場がギャップを埋める動きを期待し、そのタイミングでエントリーします。ギャップを完全に埋める前に、価格が再び上昇または下降する場合もあるため、注意深く市場を監視することが重要です。
- 大きな時間枠での活用: FGVは短期トレードだけでなく、長期トレードでも利用されます。週足や月足に現れるFGVは、トレンドの転換点を示す強力なシグナルとして作用することがあります。
マーケットストラクチャーシフト
マーケットストラクチャーシフトとは、上昇トレンドまたは下降トレンドが反転する際に確認される価格アクションのパターンを指します。このシフトが発生することで、トレーダーはトレンドの終了や逆方向への転換を察知することができ、トレード戦略をその変化に合わせることが可能になります。
- 上昇トレンドの例:上昇トレンド中に前回の安値を下回ると、市場の強さが失われ、次の価格の動きが反転する可能性が高まります。これを捉えて、トレーダーは売りポジションに切り替える判断材料とします。
- 下降トレンドの例:逆に、下降トレンド中に前回の高値を上回る場合は、下降トレンドが終わり、上昇トレンドが始まるサインとして解釈されます。
MSSの確認方法
- トレンドの高値・安値:トレンドが発生している中で、高値や安値が連続して更新されるかどうかを確認します。通常、上昇トレンドでは高値が更新され、下降トレンドでは安値が更新されますが、その流れが途絶えるとマーケットストラクチャーのシフトが発生したとみなされます。
- ディスプレースメント(Displacement):市場構造の変化は、通常、ディスプレースメントと呼ばれる大きな価格の動きに伴って起こります。強力な価格変動がトレンドのシフトを引き起こすため、長い実体を持つローソク足が出現しやすいです。
- 流動性の取り込み:シフトが発生する際、流動性プールが巻き込まれることが多いです。これは多くのトレーダーがストップロスを設定している価格帯を機関投資家が狙い、その流動性を取り込む動きが発生するためです。
MSSを使ったトレード戦略
MSSが発生した際には、トレーダーは市場の変化を見極め、新たなトレンドに乗る戦略を立てる必要があります。ICT手法では、このシフトのタイミングを捉えることが、成功するトレードの鍵とされています。
- エントリーのタイミング:シフトが確認された後、新たなトレンドの初期段階でエントリーすることが推奨されます。これにより、トレンドの初動に乗ることができ、リスクを抑えながら利益を最大化できます。
- リスク管理:マーケットストラクチャーシフトは反転の兆候であるため、早すぎるエントリーや遅すぎるエグジットを避けるために、損切りラインを適切に設定することが重要です。
フェイクトレードとは?
フェイクトレードとは、市場において一見トレンドが変わるかのように見せかける偽の動きです。トレーダーがこれを本当のトレンド反転と勘違いし、誤ってエントリーやエグジットを行うことで損失を招くことがあります。こうしたフェイクトレードは、特にマーケットストラクチャーシフトを確認する前にエントリーする場合に注意が必要です。
MSSはトレンドが反転するタイミングを示す重要な指標ですが、フェイクトレードによって誤ったシグナルが発生することがあります。つまり、市場が一時的に高値や安値を突破するが、すぐに元のトレンドに戻るような動きがフェイクトレードです。このような状況では、トレーダーが本当のトレンド反転と勘違いし、誤ってエントリーする可能性があります。
真のMSSとフェイクトレードを見分けるためのポイント
フェイクトレードを避け、本当のMSSを確認するためには、以下の点に注目することが重要です:
- 明確なディスプレースメント(Displacement)の確認:本物のトレンド反転では、強い価格変動(ディスプレースメント)が伴います。価格が急激に動くことで、フェイクトレードとMSSを見分けやすくなります。
- 複数の確認ポイント:単一のシグナルに頼るのではなく、他の市場指標やトレンドライン、ボリュームデータなどを確認し、フェイクトレードかどうかを慎重に見極めます。
- 流動性プールの確認:フェイクトレードは流動性を狙って意図的に仕掛けられることが多いです。そのため、流動性プールや多くのトレーダーのストップロスがあるポイントに注意を払い、価格がそれを狙って動いているかどうかを判断することが重要です。
- タイムフレームの違い:短期のタイムフレームで見るとフェイクトレードに見える動きも、長期的な視点で見ると真のMSSである場合があります。複数のタイムフレームを比較することも有効です。
資金管理
資金管理の重要性
トレーディングにおいて、資金管理は非常に重要です。トレーダーが失敗する最大の理由の一つは、リスクを管理せずに過度なレバレッジを使ったり、一度のトレードで資金の大部分を失うことにあります。
ICTでは、資金管理のルールを厳格に守ることが強調されています。具体的には、各トレードにおけるリスクは全資金の1〜2%に限定することが推奨されています。このようにして、たとえ数回の連続した損失が発生しても、トレーダーは資金を守りながら長期的に取引を続けることが可能です。
ICT流の資金管理の原則
- リスク/リワード比率の設定: 典型的なICTの戦略では、リスク/リワード比率が最低でも1:2、理想的には1:3以上になるように設定します。これにより、1回のトレードでリスクを取る額以上にリワードを得るチャンスを確保します。
- トレード資金の分散: トレーダーは、全資金を一度に一つのポジションに投じるべきではありません。資金を分割し、異なる市場や時間枠に分散させることで、リスクを減らし、トレード機会を増やすことができます。
- ストップロスの設定: トレードを開始する前に、常にストップロスを設定し、感情的な判断に基づく損失を防ぐことが重要です。ICTのルールでは、リスクを厳密に管理し、感情的にポジションを閉じないようにすることが重視されています。
5. トレード心理
感情の影響
トレーディングにおいて、心理的要素は成功に大きな影響を与えます。感情的な決断は、冷静な分析や戦略に基づいたトレードを妨げ、損失を招く可能性があります。特に初心者は、恐怖や欲望に基づいたトレードをしがちです。
ICTでは、感情をコントロールし、ルールに基づいた取引を行うことが推奨されています。トレーダーが感情に流されないようにするためのトレード心理の重要なポイントは以下の通りです。
5.2 トレード心理を制御する方法
- トレードジャーナルの活用: ICTのメソッドでは、トレードジャーナルをつけることが推奨されています。これにより、感情的な判断を避け、トレードを客観的に振り返ることができます。
- 規律の徹底: 一貫した結果を得るためには、規律を持ってルールに従うことが不可欠です。ICTでは、シグナルが出たらそれに従い、予想外の動きが発生しても感情的に行動しないよう訓練します。
- 損失の受け入れ: トレーディングは損失を伴うものであり、損失を避けることはできません。ICTでは、損失を受け入れる心構えと、それを乗り越えるための冷静さが強調されています。成功するトレーダーは、失敗から学び、次のトレードに活かすことができる人です。
まとめ
ICTトレーディングの核心には、流動性ギャップとFGV、そしてそれらを用いた高度なトレード戦略があります。
さらに、MSSとフェイクシグナルを見極め、資金管理を徹底することが、トレーダーとしての成功に不可欠です。
そして、心理的な影響をコントロールし、感情的なトレードを避けることで、安定した収益を上げることが可能となります。
ICTの戦略は、複雑なテクニカル指標に依存せず、市場の動きそのものを理解し、効率的に活用する点が特徴となっています。
なお、ICT自体は無料テクニックですので、有料情報の中に上のような概念が混じっていても、(特に日本においては)オリジナルはICTです。
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