ICTブロックは、かのInner Circle Trader(ICT)によって提唱されたトレーディング手法の一部です。ICTは、トレーダーが価格の動きを分析し、取引の決定をするためのツールや概念を提供しています。
主にローソク足のパターンを利用して価格の動向を判定し、特定の条件に基づいて形成されるローソク足のパターンを「ブロック」と呼びます。
ICTブロックの特徴は、価格がブロック内にとどまることが取引の確証とされる点です。そして、価格がブロックから離れた後に再びブロック内に戻る場合、トレーダーにとっては取引の機会が生まれる可能性があります。
ICTトレードの一例
上記画像は、ICTブロックの一例です。まず、価格上昇がレジスタンスされ、トレンドが下降であることを前提とします。
画像の1.で、安値更新を否定し、再度反発しています。この時点ではようやく安値のレジスタンスが確認されたました。
これを、MSB(マーケット・ストラクチャ・ブレイク)と呼びます。ここで、レジスタンスレベル(画面最上部)とMSBとのブロックが形成されたと考えます。
画像の2.においては、このMSBが強く破られる瞬間が訪れています。画像の3.において、ここで陰線を2度つけたことが確認されます。多くのトレーダーが、売りの意思決定をする瞬間です。
ただし、注意すべきは、形成されたMSBが一度ブレイクされただけであり、この一度の否定をもってトレンド完全に下に向かうかというと、それもまた考えどころであるということです。
なお、画像3.においてもMSBの形成がイメージされ、新たなブロックが確認されます。
そして、ローソク足がMSBに回帰したときが、ベストの売り時(short oppotunity)となります。
下降トレンドであるという予測のもとでは、安値のブレイクがレジスタンスへと変わり、強い売りが惹起されることが想定されるからです。
上の図においては、売りのポイントは2か所であると示唆されています。
トレンドだけが重要ではない
このように、トレンドの向きを確認するだけでなく、トレンドにおいてのエントリタイミングを取るということも重要になってくるということが分かります。
ハイレバレッジトレーディングにおいては、画像の3.の箇所で売りを入れてしまうと、ストップロスに引っ掛かってしまうというトラップで資金が喰われてしまう可能性があります。
これを広い視点でいえば、スマートマネーが、スマートでないマネーから利益を得るためのひっかけとも考えられます。
このように、マーケットの急な動き引っ掛からないように、絶えずストラクチャを意識する必要があります。
補足
本事例はすべての理論の中のごく一部となっています。そもそもダウントレンドをどう察知するのか、という基本軸がないままに語っているという落とし穴に気づかれたでしょうか?
トレンドの掴み方については、また別の機会に、投稿できればと思います。